井口行政書士
伊丹さま、本日は「尊厳死宣言」についてのご相談、ありがとうございます。ご自身の最期について考えることは、とても勇気のいることですよね。
伊丹さま
はい。漠然と考えてはいたのですが、いざ具体的にとなると、やはり迷いもあって...。
井口行政書士
ごもっともです。この「尊厳死宣言」は、伊丹さまご自身の「生き方」の延長線上にある、「ご自身の望む最期の迎え方」を明確にするための大切な準備です。ご一緒にゆっくり考えていきましょう。
井口行政書士
「尊厳死宣言」とは、もし将来、病気が治る見込みが全くなく、回復が望めない状態(末期症状)になった場合に、「無理な延命治療は望みません」という、ご自身の意思を前もって表明しておくことです。
伊丹さま
無理な延命治療、ですか...。
井口行政書士
はい。例えば、人工呼吸器をつけたり、点滴で栄養を補給し続けたりするような治療のことです。もちろん、痛みを取り除くための治療や、苦痛を和らげるためのケアは続けてもらえます。
この宣言は、「不自然に命を引き延ばすのではなく、自然な形で穏やかに最期を迎えたい」という伊丹さまご自身の強い願いを、明確に伝えるためのものだとお考えください。
井口行政書士
一番の理由は、ご家族と医療従事者の方々が、伊丹さまの意思を尊重し、迷うことなく最善の判断ができるようにするためです。
伊丹さま
家族には、私の気持ちを伝えてあるのですが...。
井口行政書士
それは素晴らしいことです。しかし、もし伊丹さまがご自身で意思を伝えられなくなった時、ご家族は「本当にこれでいいのか」「もっとできることはないのか」と大きな苦悩を抱えてしまうことがあります。
そこで、公証人という国の専門家が作成した「尊厳死宣言公正証書」として残しておくことが、非常に重要になります。
井口行政書士
この公正証書があれば、伊丹さまの意思が非常に明確かつ法的に確かな形で証明されます。
これにより、ご家族は「本人の強い願いなのだから」と自信を持って決断でき、医療従事者も安心して伊丹さまの意思を尊重した治療方針を進めることができるのです。
つまり、尊厳死宣言は、ご自身の望む最期を明確にし、残されたご家族に重い決断をさせないための、深い思いやりの表れでもあるのです。